新・読書日記 2013_220
『ユーミンの罪』(酒井順子、講談社現代新書:2013、11、30第1刷・2013、12、3第2刷)
40代~50代の私ら世代には"キャッチ―"なタイトル。バブルの時代にはよく聞いたユーミン。え?なんでそれが「罪」なんだ?「ユーミンの罪」って一体???と思って思わず購入してしまった。280ページほどの、やや分厚い新書。
1973年の荒井由実時代の「ひこうき雲」から始まって、「MISSLIM」(1974年)、「COBALT HOUR」(1975年)、「14番目の月」(1976年)、この辺りはレコードは持ってなかったんだよね。曲は知ってるけど、ラジオで聴いていたような気がする。
そして「SURF&SNOW」(1980年)、「REINCANATION」(1983年)、「NO SIDE」(1984年)、「ダイアモンドダストが消えぬまに」(1987年)」、「天国のドア」(1990年)、「DAWN PURPLE」(1991年)、ここまではCDを持っているのが多い。聴いてたなあ。その後もユーミンの活動は現在に至るまで続いているのだが、酒井さんが書いたのは、この1991年までのユーミン。確かに「時代を切り取る」のはここまでかもしれない。その後、私は(と言うか「時代」は、ユーミンを聴いていたような人たちも)「ドリカム」に流れたような気がします。
酒井さんはこれらのアルバムを一つずつ丁寧に、ユーミンと時代を重ね合わせ、「時代と寝た女」というか、まさに「時代そのもの」の「ユーミン」を読み解いていく。「ユーミンの罪」はすなわち「時代の罪」、「その時代を作って来た我々の罪」なのだ。21世紀になって13年もたった現在位置を、改めて確認する作業をコツコツとやり遂げた著者に、敬意を表する。名著です。これで840円は安い!