新・読書日記 2013_218
『成長から成熟へ~さよなら経済大国』(天野祐吉、集英社新書:2013、11、15)
2013年10月20日に80歳で亡くなった、広告批評家の天野祐吉さんの、最後の著作(遺作)と言っていいのではないか。「遺言」のようなもの。
天野さんはこの本の最後のゲラ直しを終え、バイク便で送ったことを電話連絡し、その夜に入院、帰らぬ人となったという。亡くなる3日前にレコーディングをした島倉千代子さんと言い、そのプロ意識の高さに敬服する。文字通り「生涯現役」ですね。合掌。
194ページ、「中央集権」を生むのは「地方」だと。だから「地方分権」は、「中央集権」の呪縛から逃れられない。「地方」ではなく「地域」にしなくてはならないという主張には、ハタと膝を打った。「地方分権」「道州制」は、下手をすると、新たに「小さな中央集権」を生むだけだと、前から考えていた。
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