新・ことば事情
5322「たかじんのアクセント」
2014年1月3日に歌手・司会者の「やしきたかじん」さんが、亡くなっていたことが分かりました。64歳でした。
本名を漢字で書くと、
「家鋪隆仁」
だそうですが、芸名は、名字も名前も「平仮名」です。この、
「たかじん」
の読み方、アクセントが3通りあります。
関西人はたいてい、
「たか/じ\ん」
と、「じ」のところで初めて高くなるように言います。
これに対して、関西以外の標準語圏の人、特に関東の人は、
「た\かじん」
と「頭高アクセント」で、「た」を高く言います。
しかし中には、標準語圏の人だけど「ちょっと関西風に言ってやろう」として失敗する(?)人がいて、そういった人は、
「た/か\じん」
と「か」が高くなる「中高アクセント」で言っていることがあります。芸能リポーターの井上公造さん(九州出身)は、
「た/か\じん」
と発音されています。
また、フルネームのアクセントは、関西では、
「やしきた\かじん」
と高い音が続いて「た」のあとにアクセントが下がる。標準語圏では、
「や/しきた\かじん」
と、「中高アクセント」になりますね。そのほか、名字と名前を分けて、
「や\しき・た\かじん」
という人もいますね。
「ミヤネ屋」の若いスタッフに、
「スーパーは、名字の『やしき』と名前の『たかじん』の間を、少しスペースを空けて」
と言うと、
「え!『やしき』が名字なんですか!」
と驚いていました。
「そりゃそうやん。じゃあ今まで、どこまでが名字やと思ってたんや?」
と聞くと、
「いえ、芸名で特に名字や名前もなく、"ひとつながり"だと思っていました・・・」
と、とんでもないことを言っていました。
どう呼ばれても、「たかじんさん」に、かわりはないとはいえ、
「たか/じ\ん」
に愛着を感じます。
合掌。
(追記)
読売テレビ「ten.」の有田ナレーターは、1回目・3回目は、
「た/か\じんさん」
と、井上公造さんと同じアクセント、2回目は、
「た/かじ\んさん」
と原稿を読んでいました。清水健キャスター、パネリストのあいはらさん、朴一さんは、
「たか/じ\んさん」
でした。
(2014、1、9)