新・ことば事情
5347「Goetheのカタカナ表記」
「財団法人 東京ゲーテ記念館」のサイトを見たら、こんな記述がありました。
言語学者の矢崎源九郎『日本の外来語』(1964年、岩波書店)によると、あの、
「ゲーテ」
には、
「表記の上ではゴエテ、ギューテ、ギェーテ、ギューテ、ギョート、ギョーツ、ゲーテ、ギュエテ、ゲォエテ、ゴアタ、グウィーテ、ゲヱテー、ゲーテー、ゲェテー、ギョウテ、ギヨーテ、ギョーテ、ギョーテー、ギヨテー、ゴエテ、ギョテ、ギヨヲテ、ギヨオテ、ゲョーテ、ゲヨーテ、ゴエテー、ゲエテ、ギヨエテ、ゲイテ、ギョエテ、と、じつに二十九通りの書き方があるという。『ギョーテとは俺のことかとゲーテ言い』という、斎藤緑雨の川柳すらも生まれているほどである。(170ページ)」
これ、おもしろいのは「29通り」と書いてありながら、数えてみたら「30通り」あるんですね。更にこのサイトには、
「品川力著『古書巡礼』(青英舎版、1982年)所収の「二十九人のゴッホ・四十五人のゲーテ」に詳しく書かれています。モノマニアックだった品川力(つとむ)氏の調査では、矢崎が言う29通りどころか、45通りもあるとのことです。 」
と書かれています。
このように「外来語のカタカナ表記」は難しいという話ですが、きょう(1月29日)配信したニコ生「第10回道浦俊彦の言葉のことばかり」で、この話をしました。