新・読書日記 2013_216
『アナウンサーが教える愛される話し方』(吉川美代子、朝日新書:2013、12、30)
やさしそうなタイトルだが、内容は硬派。おそらく吉川さんは、こんなタイトルは付けたくなかったと思う「ジャーナリストとしてのアナウンサー」「職業としてのアナウンサー」とか、そういったタイトルにしたかったと思う。でも編集部が「これじゃあ、売れませんから・・・」と説得して、こういったちょっと生ぬるいタイトルにしたんだと思う。二谷友里恵さんの『愛される理由』を思い出しました。
ということで内容は、ごくごくまっとう。アナウンサーとして当然!と思われる内容である。某週刊誌で書かれたような評価は当たらないと。
ただ、1点、大きな間違いがある。116ページ、アクセントの置き方について。「平板型」「頭高型」「中高型」「尾高型」に4分類したのはいいのだが、その「平板型」の説明が、
「音の高さが同じ、つまりアクセントがない」
と書かれているのは正しくない。共通語(標準語)のアクセントは、必ず、第1音と第2音の高さが変わるのである。ですから、
「音の高さが"第2音から後が"同じ」
とすべきところである。すべて同じならば、関西弁のアクセントのようになってしまう。アナウンス学校の先生なのだから、この説明の仕方は、ちょっといただけない、と大先輩に対して思ってしまった。ご無礼を顧みず、あえて書き記す。
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