新・ことば事情
5320「大事態」
12月26日の「ミヤネ屋」のスーパーをチェックしていたら、
「大事態」
という言葉が出て来ました。
「事態」という言葉は、プラス・マイナスはありません。ゼロです。ニーュトラル。だから、それに「大」を付けても意味がありません。「ゼロ」をいくら大きくしても「ゼロ」。だから、"味付け"は「形容詞」で、
「大変な事態」「とんでもない事態」「悲惨な事態」「非常事態」
などとは言えます。
これに対して、「騒動」は、「騒ぎ」という「マイナスの方向性」を持っています。つまり最初から「味付きの言葉」です。ですから、「大」という「程度を表すもの」が付くと、「マイナスが大きくなる」ので意味があります。たとえば、意味のある形容詞が付いて、
「とんでもない騒動」「大変な騒動」
でも、意味は深まって成り立ちますね。
スーパーを発注したディレクターは、
「大失態」
と勘違いしたのかもしれませんね。