新・ことば事情
5317「アベノミックス」
年末、時節柄、この一年を振り返るニュースのコーナーが増えていますが、その中で取り上げられるのが景気の問題。そして、「アベノミクス」です。流行語にもなりましたが、本当にその効果が出ているのか?街頭インタビューなどで聞いたりしています。
東京で聞かれた通行人の30代ぐらいの男性が、
「中小・下請けまでは、まだアベノミックスの影響は来てないですねえ。」
と言っていました。正しくはもちろん、
「アベノミクス」
で、「安倍」首相による経済戦略、「エコノミクス」の合成語で、元は、有名なアメリカのレーガン元大統領の経済政策である、
「レーガノミクス」
ですね。そこから来ている言葉。でも「ミクス」というのが、なんとなく落ち着きがないのでしょう。大阪通天閣で12月27日に行われた「エトの引き継ぎ式」で、来年の干支「うま」の被り物をかぶった通天閣観光のの社長さんも、
「アベノミックス」
と言っていました。大阪は、
「ミックスジュース」
というフルーツジュースがあるし、お好み焼きにも「ミックス」があったりして、
「"ミックス"好きな土地柄」
だと思います。だからかもしれませんが、つい「アベノミックス」と言ってしまうみたいです。でも、大阪だけではなく、やはりなんとなく「アベノミクス」は言いにくいのか、12月26日の日本テレビ『every.』で、小山キャスターが、
「アベノミクチュ」
と言っていましたが、言い直さずにそのまま番組は進みました。大阪には、
「みっくちゅじゅーちゅ」
という名前の缶入りの「ミックスジュース」がありますけどね。
グーグル検索(12月27日)では、
「アベノミクス」 =400万0000件
「アベノミックス」= 18万7000件
「アベノミクチュ」= 3250件
で、中には、
「『アベノミクス』って言おうとするのにいつも『アベノミクチュ』って言っちゃう」
という投稿もありました。