新・ことば事情
5314「なかなかありえないこと」
北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)第1書記の義理の叔父で、事実上の「ナンバー2」と言われた、張成沢(チャンソンテク)氏が、国家転覆の陰謀を企んでいたとして逮捕され、軍事裁判で裁かれて、即日(即時)死刑が執行されました。それを受けて、新藤総務大臣が会見で、
「日本では、なかなかありえないこと」
と話しているのを、12月13日のお昼のニュースで見ました。それを聞いて耳を疑いました。
「なかなか?」
「なかなか」というのは「たまにはある」ということですよね。日本では、
「絶対にありえないこと」
ではないのでしょうか?
こういうところは、しっかり発言して頂かないと困ります。それとも「特定秘密保護法」においては「たまにはある」ということなのでしょうか?そんなわけ、ありませんよね。
日本では前日に、安倍政権で8人目となる死刑囚2人の死刑が執行されましたが、その2人の死刑執行は、かたや直前の事件から5年、かたや事件から27年たっての執行です。事件発覚から5年でも、
「結構早いな。でも、それだけ悪質で、しかも罪に疑念の入り込む余地がないからだろうな」
と感じましたが、「即日処刑」というのは、
「疑念を入り込ませないいため。」
「引き延ばすといろいろと反対の声が出て来たら困る」
「万が一冤罪(?)ということがバレても、その時にはすでに死んでいる。死人に口なし」
ということだと考えられます。こういった国は(当然ですが)、恐ろしい国だと思います。