新・読書日記 2013_204
『別れの何が悲しいのですかと、三國連太郎は言った』(宇都宮直子、中央公論新社:2013、10、25)
ひとことで言えば、三國連太郎への長い弔辞。
長いタイトルだ。AKBの新曲のように略して「何悲(なにかな)」でどうでしょうか?
「三國連太郎」という俳優は、「個人の人生そのもの」も演じていたような気がしないでもない。でも、そんな人の近くに、懐に入り込んで行って、つぶさにその"生きよう"を見ることができたというのは、かけがえのない経験になったと思う。著者の生き方も変えてしまったのではないか。演じているようでも、その「演じ方」に「個性」がにじみ出ていたように思えた。
「三國さんは亡くなられた。だけど、その足跡は生き続ける。歴史になる。稀代の名優として長く語り継がれる。そのことを喜んでいようと思う。」
「そんな三國さんに、どこにいらしても聞こえるように、大きな声で、さようならと言う。」
star4