新・読書日記 2013_201
『福島に生きる』(玄侑宗久、双葉新書:2011、12、4)
文字通りタイトル通りの「福島に生きる」作家で僧侶の玄侑宗久さん。帯には、
「故郷に何を祈るのか。放射能とどう向き合うのか。覚悟を決めた作家の3・11とその後」
とある。この本は「おととしの12月」に出されたものだ。私が読むのをサボっている間に「2年」もの歳月がたってしまった・・・。
第1章は、あの「福島第一原発」で爆発が起きたときのこと、それから1か月ほどの様子が。そして第3章、著者が「復興構想会議」のメンバーに選ばれ会議に参加する中で感じたことが。それは主に、議長の五百旗真氏に感じられた「官僚のカゲ」だった。つまり「東京から見た『フクシマ』の姿を書いている。著者をはじめとした委員たちは、必死にそれに対抗したが、報告書があがって来ると、「全然違う形」に仕上がっていて抗議したことなども。審議会や諮問会議が「一応、話し合いをやりました」という「格好付け」に使われるケースも多いと聞く。そんな事では、フクシマも日本も救えないのに・・・。
第4章では「それでも私は福島に生きる」という覚悟と、そのために具体的にどうすればいいかの玄侑さんのアイデアの提案がある。中でも私が「そうか!」と思ったのは「放射線は教育にいかすべき」という提案だ。確かにそうだ。今、勉強しないで、いつする!2年経ってしまったが、改めてその思いを強くした。
star4