新・読書日記 2013_199
『日本人へ~危機からの脱出篇』(塩野七生、文春新書:2013、10、20)
月刊誌『文藝春秋』で巻頭コラムの2010年5月号から2013年10月号までをまとめたもの。中には読んだことがあるものもあると思うが、大体は初めて読んだと思う。やはり、2011年3月11日・東日本大震災以降の文章に、特に興味があった。ローマのやり方から日本が学べるものはないか、そういう視線で読みたい。
塩野さんの提案の一つに、「がれき」を「公共財産」として使うという案がある。関東大震災のがれき処理では、横浜の山下公園を造った。そういうように、東日本大震災でも、堤防や地盤のかさ上げに「がれき」を使えないか?と。塩野さんいわく「西欧でも古代から続く都市のほとんどは、がれきの上に建てられているのである。ローマに至っては、二千年の間に十メートルは高くなった。だから がれきは、再興のための基盤になりうるのだ。爆発しないように化学処理でもした後で、次に津波が襲ってきたときに 逃げ登れる山だってつくれるではないか。」
まあ、そう簡単には実際は行かないんでしょうけど、大胆な提案をされています。
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