新・読書日記 2013_191
『「いいね!」が社会を破壊する』(楡周平、新潮新書:2013、10、20)
著者が作家になる前に勤めていたのは、フィルムメーカーのコダック。世界的な企業であったが、つぶれた。デジタル時代の到来も、何十年も前から見越していたのに・・・なぜ潰れたのか?を考えるところから始まって、今「レコード・CDショップ」の数が減っていること、「書店」の数が減っていることなどから、インターネットを使った商売の広がりの実態を見ると、「便利の追求が雇用を奪う」という真相にたどり着く。これは、鉄道会社の労働組合が「自動改札」の導入に反対していたことを思い出させる。みんな、分かっていたのだ。「グーグルとフェイスブックが合併したらエシュロンそのもの」という指摘は、先日のアメリカのドイツメルケル首相の携帯電話盗聴などの事実を知ると、全然「絵空事」には思えない。「ただ乗り」がコンテンツビジネスを殺す・・・「勝者なき世界」は、どうなっていくのだろうか・・・。
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