新・読書日記 2013_188
『ヘイトスピーチとたたかう!~日本版排外主義批判』(有田芳生、岩波書店:2013、9、27)
「在特会」の朝鮮学校への"口撃"を巡る裁判所の判決が出たことで、一般的にも注目された「ヘイトスピーチ」。参議院議員である著者がそれに気付き、問題点を指摘しつつ闘い始めたのは、実はそれほど古いことではない。今年に入ってからだという。しかし、それからの期間でも、「ヘイトスピーチ」の攻撃は激しさを増し、闘わざるを得なくなったというように読めた。
諸外国では「ヘイトスピーチ」は、基本的人権を脅かすものとして法律で禁止されている国が多いが、日本は逆に「表現の自由」を楯に「禁止」することまではできないという立場のようで、その間にどんどん「相手の自由」を奪う形で激化してきた「ヘイトスピーチ」。やはり、民主主義というのは、相手に"反対"の立場であっても、「相手の発言機会は命をかけても守る」という姿勢がないといけない。その意味で、「ヘイトスピーチ」を行う連中は、基本のところでおかしい、ずれているということだろう。
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