新・ことば事情
5268「ほっしゃんさん」
11月6日、NHKのお昼の番組で、岩手県大船渡市から中継していました。その時に漁港にいた男性アナウンサーが、スタジオにいるタレントの、
「ほっしゃん。」
に呼びかけていたのですが、その呼びかけの声が、
「ほっしゃんさん!」
と「ほっしゃん。」に「さん」が付いていました。これって、いらないんじゃない?
「ほっしゃん!」
でいいと思いました。(「ほっしゃん。」の芸名表記には、「。」が付きます。)
芸名などの中に「敬称」のようなものが含まれている場合に、さらに敬称を付けるかどうか?というのは、結構、難しい問題ですよね。
「さかなクン」
「サンプラザ中野くん」
「デーモン閣下」
「アグネス・チャン」
などではよく悩みます。
「さかなクン君」「サンプラザ中野くん君」「デーモン閣下さん」「アグネス・チャンちゃん」は、おかしいだろうと。
2010年の年末、「さかなクン」が希少価値のある魚「クママス」の発見に貢献したことに触れた天皇陛下のごあいさつの中で、
「さかなクンが」
と「敬称なし」で話していらっしゃることがありました。まあ、天皇陛下だもだもんね。
その後、2012年1月19日の日本テレビ『スッキリ!!』を見ていたら、「さかなクン」がイベントに出てきたときの司会者は、
「さかなクン様」
と、なんと「様」付けで呼んでいました。
また、先日、熊本県をお訪ねになった両陛下が、「くまモン」に会われて、皇后さまが、
「くまモンさんは、おひとりなの?」
と、「さん」という敬称を付けて質問されたことも記憶に新しいですね。これって、答えに窮するというか・・・くまモンはしゃべらないですよね?
もし万が一、両陛下が「ふなっしー」にお会いになったら、どんなことになるのだろうか?もしくは「メロン熊」ならどうなのか?「せんとくん」には「さん」を付けられるのか?など、疑問はどんどん膨らんでいくのでした。