新・ことば事情
5259「藤原の効果」
今回の台風27号と28号のように、2つの台風が近づいてお互いの進路に影響を及ぼすような、まるで独楽(コマ)がケンカをしているような気象状況を、
「藤原の効果」
と呼ぶのだそうです。「藤原」というのは人名です。お笑いンコンビのFUJIWARAは関係ありません。
1921年、当時の中央気象台所長だった藤原咲平(ふじわら さくへい)さんという人が、このような相互作用の存在を提唱したのだそうです。
今から90年以上も前にそんな気象状況を分析していたとは、スゴイ日本人ですね。
調べてみると、この「藤原咲平さん」は、1884年10月29日生まれ、1950年9月22日没。長野県諏訪市生まれの気象学者。高島尋常小学校・諏訪高等小学校では、陸軍中将の永田鉄山と同級、また同じく諏訪出身で岩波書店の創立者である岩波茂雄らとは生涯にわたって交友があったそうです。1926年1月には、あの寺田寅彦の後任として、東京大学地震研究所員に、そして1941年7月に第5代中央気象台長に就任したそうです。
気象台、藤原・・・あれ?もしかしたらこの人は、
「作家の新田次郎のお父さん」
ではないか?つまり、
「元・上智大教授でエッセイストの藤原正彦のおじいさん」
ではないか?と思ってさらに調べたら、
「作家の新田次郎は甥、数学者の藤原正彦は大甥に当たる」
とありました。やはり、「親族」でしたか!
「作家の新田次郎のおじさん」
だったのですね。