新・ことば事情
5257「大三冠」
10月18日の読売新聞朝刊に、
「井山『大三冠』史上2人目金字塔」
という文字が。前日・17日に以後の名人戦を制し、「七大タイトル」の内の「6冠」を制した若き天才・井山裕太さん(24)を取り上げたものです。
この記事の見出しにもなっている、
「大三冠」
という言葉は初めて目にしました。
「七大タイトル中、2日制で競われる棋聖など3タイトルはトップ棋士の証しとされ、同時に保持する大三冠は囲碁界では特別な称号」
だそうで、これまでに「大三冠」を達成したのは、
「1983年と1996~99年に達成した、趙治勲二十五世本因坊(57)だけ」
だそうです。
しかしこの記事では「大三冠」の「3大タイトル」のうち、「棋聖」以外が分からない・・・というのも、「棋聖戦」の主催が「読売新聞社」であり、残り2つのタイトル戦の主催は「他の新聞社」なので、タイトル名を出さないのではないかと・・・。
で、調べてみたら、「大三冠」とは、
「棋聖・名人・本因坊」
を指すとのことです。これらは「七番勝負」で、持ち時間が8時間。優勝賞金は、それぞれ、4500万円、3700万円、3200万円。「大三冠」以外の4つのタイトルは「5番勝負」で持ち時間は3時間あるいは4時間。優勝賞金も750万円~1400万円と、「大三冠」よりは規模が小さくなっています。
ちなみに「七大タイトル」とは、( )内は主催者。
「棋聖」(読売新聞社)
「名人」(朝日新聞社)
「本因坊」(毎日新聞社・大和証券グル―プ)
「天元」(ブロック紙3社連合)
「王座」(日本経済新聞社)
「碁聖」(新聞囲碁連盟=河北新報、新潟日報、信濃毎日新聞、静岡新聞、北國新聞、京都新聞、中国新聞、四国新聞、高知新聞、熊本日日新聞、南日本新聞、沖縄タイムスの12紙で構成)
「十段」(産経新聞社)
となっています。