新・読書日記 2013_177
『視覚障碍をもって生きる~できることはやる、できないときはたすけあう』(栗川治、明石書店:2012、7、20)
著者は、私の大学時代のグリークラブでの2年先輩で、現在、新潟の県立高校の社会科の先生。そして、「全盲」である。大学時代はそうではなかったのだが、社会人になってから病気が進んで、中途失明者となられた。その経緯、これまでに歩んできた道、失明してからの高校での授業の様子や、読み書き、歩行に関して、そして趣味の「合唱」「ランニング」「スポーツ」について、第1編「視覚障碍をもって生きる」には記されている。大学卒業後に合唱を再開したのは2007年、合唱団100周年記念で、OBが700人も集まって歌ったことがあったが、それがきっかけだったと。その際、私も著者(栗川先輩)と一緒にステージに載っている。そして今年も、6月に東京・池袋の東京芸術劇場で、コバケン(小林研一郎先生)の指揮で一緒に歌い、つい先月(9月)には、やはり東京のサントリ-ホールで一緒に歌った仲間である。新潟から東京まで練習にも何度も通われ、その行動力・努力には、もう頭が下がるとしか言えない。同期の先輩たちも栗川さんをよくサポートしていて、凄いと思った。
第2編「障碍制度改革と政権交代」(199ページから)は、「障害者自立法」という、名前とは正反対の「悪法」を改正するための仲間たちの動きを、おそらく議事録などで追って、自分の意見なども書き入れたもの。まるでそれらの会議に、栗川さんも出席していたのかな?と思うぐらい詳細な記録である。
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