新・ことば事情
5230「鋼板の読み方」
毎日放送のKさんから質問が。
「『鋼板』の読み方は『コーハン』?それとも『コーバン』?」
え?私は、
「コーハン」
と「濁らない」と思っていましたが。(表記は発音のため「-」を使っています。)
辞書を引くと、見出し語で分けると、
*「コーハン」=広辞苑、三省堂国語辞典
*「コーバン」=明鏡国語辞典、精選版日本国語大辞典、デジタル大辞泉、新明解国語辞典、新潮現代国語辞典、
*「両方、載っていない」=岩波国語辞典、新選国語辞典
もちろん、見出しは片方しか載せていなくても、意味の説明の中に「コーハンとも」「コーバンとも」と両方書いてあるものも多いですが。
『NHK日本語発音アクセント辞典』では、
「コーハン」「コーバン」
の順番で載っています。
読売テレビのアナウンス部で聞いてみたところ、
*「コーハン」
(50代男)社名などの固有名詞でなければ、迷わず「コーハン」でいきます。ちなみにアクセントは「後半」と変わらず平板で読みますね。
(50代男)私は「コーハン」でしょう・・・か。「甲板員」と重なるイメージだからでしょうか?考え方にはいくつかあるのでしょうが、言いやすさが優先された例かと思います。
「看板、天板」は「ばん」、しかして、「合板(はん)」・・・これも「ゴウバン」とも言うか...「コーバン」となると、「交番」をイメージしてしまいそう。
(40代男)「コーハン」です。
*「コーバン」
(20代男)「コーバン」です。
(30代女)「コーバン」で読みたくなります。が、ニュースで「コーハン」で読んでいるのを聞いたことがあるように思います。
(30代男)私は「コーバン」で読みます。
という具合でした。サンプルの数は少ないですが、若い人は「コーバン」と濁り、年配の方が「コーハン」と濁らない傾向があるようですね。