新・ことば事情
5208「手足口病のアクセント」
最近流行している「手足口病」のアクセントに関して、NHKの原田邦博さんからメールを頂きました。それによると、「手足口病」は長い言葉なので、人によってアクセントがバラバラ。「○○病」という言葉は「平板アクセント」が多いので、
(1)「テ/アシクチビョー」(平板)
とする人や、「手足」を重視するためか、
(2)「テ\アシクチビョー」(「頭高」)
で読むアナウンサーもいるし、また(2)の変形か、「2語」に分けて、
(3)「テ\アシ・ク/チビョー」(2語意識)
というのも聞いたと。「正解」は不明だが・・・という内容でした。
そこで読売テレビアナウンス部でも「どう読むか?」を聞いてみました。
それによると、
【1】=4人
(50代男)(1)で読みます。昔から、そういう病名として。
(30代男)(1)で伝えてしまいます。
(30代男)手・足・口が同列なので(1)かと思います!
(50代男)15年以上20年前?前に、初めて聞いた時は、(1)の「平板」で言っていました。日常会話の域を出ませんでしたが...。"安易に平板化"傾向の最中だったかもしれません。「手・足・口」という部位はすべてバラバラだから、考えてみれば、(3)かもしれませんね。理屈で改めて納得してしまうアクセントかもしれません。
【2】=2人
(20代女)私もどう読むべきか教えていただきたかったです。私としては(2)がしっくりきます。
(40代女)(2)です。
【3】=9人
(20代男)私は、(3)「テ\アシ・ク/チビョー」(2語意識)だと思っています。
(30代女)(3)です!病院の先生や保育園の先生も(3)で言っている人が多いように思います。
(40代女)全然、意識していませんでした。。。普通に。。。(3)で読んでいます!
(40代男)(3)です。
(30代男)まだ放送で実際に使ったことはありませんが、(3)で読むと思います。
(20代女) 私も、(3)です!
(20代男) 立田は、(3)で読んでいます。
(30代男)(3)だと思っておりました。
(40代男)(3)です。
ということで、読売テレビアナウンス部では、(3)の、
「テ\アシ・ク/チビョー」(2語意識)
が「15人中9人」と、過半数を占めました。
また、8月6日のテレビ朝日のお昼のニュースを聞いていたら、女性のアナウンサーが、
(3)「テ\アシ・ク/チビョー」
で読んでいました。
また8月9日の夕方の日本テレビ『ニュースevery.』では、インタビューを受けた関西訛りのお母さんが、
(1)「テ/アシクチビョー」(平板アクセント)
で話していましたが、ナレーターの男性は、
(3)「テ\アシ・ク/チビョー」(2語意識)
で原稿を読んでいました。
(追記)
あれから2年、また「手足口病」が流行っているようです。2015年7月14日の午後7時のNHKのニュースでやっていました。それを伝えた女性ナアウンサーは、
「テ\アシ・ク/チビョー」
と読んでいました。
(2015、7、14)