新・ことば事情
5203「流れた」
放送予定の番組や企画が、放送予定日に放送されなかったことを、
「流れた」
と言います。これに対して、予定通りに放送された場合も、
「流れた」
と言います。前者は、
「予定が流れた」「予定されたその時間に放送されなかった」
という意味であり、後者は、
「放送が予定通り、電波で流れた」
という意味であります。ちょっとこれは、ややこしい。
「あの企画、どうだった?」
「流れた」
では、放送されたのか、されなかったのかが、つまり流れたのか、流れなかったのかがよく分からないという事態になります。普通は、「放送された場合」には、
「OA(オンエアー)した」
と言いますね。それで混乱は回避されます。
同じ言葉が逆の意味を持つというケースはややこしいですね。
これと同じようなことは、
「飛んだ」
にも起きます。「平成ことば事情5158 飛んだと落ちた」もご覧ください。