新・ことば事情
5200「くりくり頭」
8月5日の各紙夕刊(関西版)に、京都・真宗大谷派の本山・東本願寺で行われた、僧侶になる儀式、
「得度式」
の記事が載っていました。各紙、写真も載せているのですが、この得度式に出席したのは小中学生131人ということで、まあ早い話、多くの、
「マルコメみそのコマーシャルのような」
・・・と言って分からなければ、アニメの、
「一休さん」
みたいなかわいい「小坊主さん」がたくさん誕生したということですね。
その記事の見出しや本文の中に、
「くりくり頭の男児」(産経夕刊)
「くりくり頭になって・・・・僕もお坊さんに」(日経夕刊)
「くりくり頭の子どもたち」(日経夕刊)
「くりくりに頭を丸めた男児」(読売夕刊)
「くりくりピカピカ」(毎日夕刊)
「くりくり頭の子供たち」(毎日夕刊)
というように、
「くりくり頭」
という表現を使っていました。(読売は名詞ではなく「くりくりに」という形容動詞ですが)
この、「くりくり頭」、まあ「坊主頭」とも言いますが、「坊主頭」が大人にも子供にも使えるのに対して、「くりくり頭」が使えるのは、
「男児のみ」
のような感じがします。年齢的には、小学生まで。特に声変わりする前までのような気がしますね。「くりくり」には「かわいらしさ」を表現するニュアンスがあるからでしょうね。女の子にも使えないことはないかな。
なお、朝日新聞は「くりくり」を使わずに、
「夏休み中のこどもたちが髪の毛をそって式に臨んだ」
と表現していました。
「子ども」以外で「くりくり」を使うのは、
「くり(くり)っとした目」
のように「目」ですね。この場合「頭」も「目」も、
「丸い」
という共通点があります。「丸くてかわいらしい」というのが「くりくり」と形容されるものの特徴と言えるのではないでしょうか。