新・ことば事情
5195「一戸から八戸」
岩手と青森の「数字に関する地名」を調べました。
具体的に言う戸・・・いや、言うと、「八戸」のように、
「数字+戸」
という地名に関してです。一般的には(地元でない人には)知られている地名と言うと、やはり「八戸」であり、せいぜい「五戸」ではないでしょうか?地元の方ごめんなさい。そこで、これはいくつまであるのかを調べてみたいなと思ったわけです。
さっそく結果発表!
【岩手】一戸町(二戸郡)
二戸市
【青森】三戸町(三戸郡)
五戸町(三戸郡)
六戸町(上北郡)
七戸町(上北郡)
八戸市
あれ?
これを見て、皆さんそう思いませんか?・・・そう、
「四と九」
の付く地名がないのです。なぜ?すぐに思いつくのは、
「忌み言葉」
ですよね。
「四=死」「九=苦」につながるので避けたのではないか?
ということですね。たぶん、そうなんじゃないかな。
それと、「一戸」と「二戸」は「岩手県」だったんだ!全部「青森県」かと思っていました。・・・あ、そうか、「県」ではないんだね、これは、
「南部藩の地名」
なんだね。あとから「県」で分けてしまったから「一」と「二」だけ岩手になったのね、きっと。今の都道府県の分け方になった100年以上たつだろうけど、いまだに江戸時代の名残があるんですね・・・。
また「一戸町」は「二戸郡」、「三戸町」は「五戸郡」というのも「数え歌」の次への受け渡しのような、よく分からない感じなのですが。どうなんでしょうか?
「地名」というものは「歴史」を含んでいますね。
(訂正・追記)
NHKの原田邦博さんからメールを頂きました。
「『九戸村』は岩手県に実在します。『一戸町』『二戸市』の東側です。『四戸』は地名にはありません。」
とのこと。改めて地図を見直してみると。・・・あ、あった!確かに「九戸(村)」の文字が!九戸村の皆さん、失礼しました。お詫びして訂正いたします。
追加します。
でも、やはり「四戸」はないんだなあ。「十和田湖」も「十二湖」も「十三湖」も青森にはあるのに。
(2013、7、30)