新・ことば事情
5194「ハンサムな生き方」
「男前」
という言葉を、男性だけでなく「女性」に対する褒め言葉でも使うという最近の傾向については、以前書きました。(平成ことば事情3146「男前」)5年前のことです。
今回は、
「ハンサムな」
を女性に使った例を見つけました。通勤で載っている京阪電車で目にした中吊り広告。今(7月13日から9月1日まで)、京都歴史博物館で開かれている、NHK大河ドラマの主人公「新島八重」についての展示会「八重の桜展」の広告です。そこに、こんな文言が。
「襄が愛した、彼女のハンサムな生き方。」
明らかに女性に対して「ハンサムな生き方」と「ハンサム」を使っています。それも「見た目」の「ハンサム」ではなく「生き方」を「ハンサム」としています。これは、
「男前な生き方」
と置き換えられますので、「男前」と同じ用法ですね。
グーグル検索では(7月28日)、
「ハンサムな生き方」=11万2000件
もありました。そのなかにすでにこの「ハンサムな生き方」という言葉に関する考察がありました。石岡シオンさんという方のサイトで、それによると、
「夫である同志社大学の創設者新島襄は、自分の妻のことを、アメリカの母と慕うハーディー夫人に紹介する時に、『八重は決して美人ではないが、その生き方がハンサムです。』と手紙に書いたことから、八重は『ハンサム・ウーマン』と呼ばれるようになったと言われています。このハンサムな生き方が一般化したのは、2009年4月の『歴史秘話ヒストリア』がきっかけと言われています。」
そうだったのか!「ハンサム・ウーマン」と夫から言われて、もうずっと昔に定着していたのか!
「ハンサムウーマン」=21万1000件
うーむ、これで私が大河ドラマを見ていないことが、バレましたね。