新・ことば事情
5192「タパス」
行きつけの大阪・京橋のスペイン・バルに立ち寄った時のこと。
カウンターの前に美味しそうな一品料理が並んでします。いわゆる、
「タパス」
と呼ばれるものです。その中の一品を注文した時に、お店のマスターが言った一言に、ハッとしました。
「単数形では『タパ』なんですけどね。複数形だから『タパス』」
そうか!もしかしたらあのプラスティック製の密閉容器、
「タッパー(ウェア)」(特定商品名)
って、「タパス」の「タパ」から来ているのではないか?
ということです。そのスペイン・バルのマスターは、
「『タパ』は『ふた』の意味ですけど・・そうなんですかねえ・・・?」
と懐疑的でしたが、私は、
「きっとそうだ!」
と思った次第です。
ちなみに今年は、日本で「タッパー」が販売されてから、なんと50周年の年に当たるそうです。1963年にアメリカから上陸したのかあ。我が家は、私が物心ついたころから、タッパーを使っていました。当時は高かったのですね、今見ると。ウィキペディアでは、
「大卒の初任給が15000円程度の当時、直径17cmのボウル6個セットが1360円と高価で、価格面でも高級感が演出された。」
とあります。当時、うちの父(1958年・大卒)の初任給(メーカー)が、1万3500円だったと聞いたことがありますから、やはりそのぐらいの物価だったのでしょう。
また、「日本タッパーウェア」のサイトによると、
「そのネーミングは容器の開発者であるアメリカ人、アール・S・タッパーに由来しています」
え?開発者が「タッパーさん」だったの!?そこからのネーミングか。
残念ながら「タパス」と「タッパー」は、結びつきませんでした・・・。
でも「タッパー」という名前の意味は「ふた」から来ているのでは?(とあきらめが悪い。)