新・ことば事情
5190「粘投」
「粘投(ねんとう)」
という言葉を、新聞のスポーツ欄の野球の記事で見かけたのですが、
「果たしてこの言葉は、辞書に載っているだろうか?」
と思いました。
早速引いてみると、案の定、『精選版日本国語大辞典』『明鏡国語辞典』『デジタル大辞泉』『新明解国語辞典』『岩波国語辞典』『新潮現代国語辞典』『新選国語辞典』には「粘投」は、載っていませんでした。
しかし!なんと、『広辞苑』に載っていました!
「粘投」=野球で、投手が再三のピンチをしのぎながら投球すること。
やるなあ、『広辞苑』!
そして『三省堂国語辞典』も、載せていました。
「粘投」=(野球で)投手がねばり強く投げぬくこと。
さすが「三国」!
グーグル検索では(7月25日)、
「粘投」=26万1000件
でした。用例としては、
「内海粘投7回3失点で今季7勝目」(7月25日「日刊スポーツ」ウェブ記事)
「岩隈、粘投で早くも9勝目『勢いづく1勝』」(7月21日「サンケイスポーツ」ウェブ記事)
「井川 99球粘投報われず 楽天戦は14回2/3無失点継続中」(7月16日「スポー二値」ウェブ記事)
と、これは「見出し」のみで使われていますが、
「粘投の弘前・平川「次は東京六大学リーグ目標」(7月25日「朝日新聞」高校野球サイト)
という見出しの、本記の記事を読むと、
「青森大会の決勝で粘投する弘前の平川航希投手を見ながら、ふと、あの名作漫画を思い出した。」
と本文の中でも「粘投」が出てきました。しかし、やはり「粘投」は「見出し」的な言葉なので、話し言葉で言うと、
「粘りのピッチング」
ですよね?グーグル検索では(7月25日)
「粘りのピッチング」=65万2000件
でした。