新・ことば事情
5172「人々と人たち」
<2006年12月21日にタイトルを書いたままほったらかしでした。当時の番号は、「平成ことば事情2816」>
「複数形を表す日本語の表現」には、何通りか方法があると思いますが、それが、
「人」
の場合には、
「人々」と「人たち」
の二通りが考えられます。
漢字の畳語である「人々」は、「やや硬いイメージ」があります。つまり「書き言葉的。」
それに対して、複数を表す「たち」は、「和語」だからか「軟らかいイメージ」があります。口語的、話し言葉的なイメージですね。
そのイメージは文脈の中でどう使うかによって使い分けが出来ると思います。
フォスターの名曲の日本語タイトル
「故郷の人々」
は、「人々」とすることで、格調と郷愁が感じられますが、これが、
「故郷の人たち」
というと、急に砕けた感じで格調がなくなり、
「きのう会ったばっかりやん!」
という日常感が漂うような、そんな気がしますね。