新・ことば事情
5170「なぜ『サケ』は濁るのに『サンマ』は濁らないのか?」
「生サンマ」
という言葉が出てきました。で、疑問が。
「『サケ』は、『時ザケ』『時サケ』のように、濁る・濁らないの両方の言い方があるが、『サンマ』の場合、『生サンマ』とは言っても『生ザンマ』とは絶対に言わない。なぜなんだろうか???」
「サケ」は2文字で、「サンマ」はそれより多い3文字だから?
いやいや、「三昧(さんまい)」は4文字だけど、「贅沢」が頭にくっついた「贅沢三昧」は、「ざんまい」と濁るなあ・・・。
濁る・濁らないで言うと、「すし」。店の名前で、
「○○すし」
という場合は、濁って、
「○○ずし」
となることが多いですね。でも「そば」は、上に何がついても濁らない。
「にしんぞば」
とはならないのです。なんで?・・・あ、「そば」は「ば」がもう濁っているから、「そ」まで濁ることはないということか。それなら「酒」は?上に何かがついたら、
「にごりざけ」「あまざけ」
のように濁ることがある。「濁り酒」というぐらいですから・・・って、しゃれてる場合じゃない。
複合語の「濁る・濁らない」は、複合語の結合度合いによる。強ければ「濁る」、弱ければ「濁らない」。しかし、
「どこまでが弱くてどこからが強いのか?」
という「客観的な判断基準」がない。だから、「濁る・濁らない」は、客観的には決めにくい・・・ということなのだと思います。
うーん、答えは今後の課題ということで・・・。