新・ことば事情
5169「獅子心王」
ヨーロッパの歴史について書かれた本『日本人のための世界史入門』(小谷野敦、新潮新書)を読んでいたら、
「獅子心王」
という名前が出てきました。12世紀のイングランドの王、
「リチャード1世」(1157年~1199年)
のことです。生涯の大部分を戦闘の中で過ごし、その勇猛さから「獅子心王」と呼ばれたそうです。昔、高校時代に世界史で出て来たような気がしますが、久々に見ました。
その漢字、「獅子心」という文字を見て、私は「あっ」と思いました。もう10年ぐらい前のSMAPの曲、
「ライオンハート」
は、ここから名前を取ったのではないか?と。また、その頃の、もじゃもじゃヘアーの総理大臣・小泉純一郎のホームページの名前「ライオンハート」も、実は「獅子心王」を少しイメージしていたのかもしれないと思いました。今頃思っても、遅いのですが。
「百獣の王・ライオンのような心」
ということは、
「強い心」「勇ましい心」
ということなんでしょうね。そうすると思い出すのは、メル・ギブソン主演の、
「ブレイブハート」
という映画。13世紀末、悪政に苦しむスコットランドの独立と解放を目指して戦った実在の英雄ウィリアム・ウォレスの物語。あ、これはイングランドではなくスコットランド、時代も「獅子心王」よりも100年ほど後ですね。