新・ことば事情
5160「女性『を』暴行し」
<2007年12月に書き始めた時の番号は「平成ことば事情3172」でした>
さいたま市のOLが暴行・殺害された事件で容疑者が逮捕されました。そのニュースを報じた2007年12月5日の日本テレビの『ニュースリアルタイム』で、鳥羽アナウンサーは、
「20代の女性『を』暴行し」
と言っていましたが、これは、
「20代の女性『に』暴行し」
ではないのでしょうか?「女性」は「暴行の対象」ですから「に」。これが「殺し」なら「女性を」なのですが。助詞が違います。
それから2年ほどたった2009年10月26日のお昼のニュース。滋賀県の山に登山して行方不明になった人のニュースで、
「蓬莱山に登っていて」
とリードにはあったのに、本文の中では、
「蓬莱山を登っていて」
と「を」になっていました。これも「助詞」が違います。
どうも最近、助詞の使い方が乱暴です。というか、
「助詞の使い方が身に付いていないのではないか?」
と思うことがよくあります。助詞を使わずに話し、助詞を使わずに文章を書くことが多いからではないか?と思っているのですが・・・。
助詞をきっちり使えないと、日本語の言葉の、文章の美しさもわからなくなるような気がするのは私だけでしょうか?