新・読書日記 2013_118
『悼む力~逝ったあの人へ、生きる自分へ』(阿刀田高、PHP:2013、6、24)
阿刀田さんも、もう80歳近く。たぶん、うちの父と同世代。「悼む」と言うのは先輩、同輩、後輩、たくさんの人を見送ってのことだろう。サブタイトルがそれを表している。
第1章は、自らと付き合いのあった故人をしのんだ「弔辞」とも言うべき文章。井上ひさし、井伏鱒二、色川武大、源氏鶏太、立松和平、新田次郎、藤沢周平、藤原伊織、松本清張、米原万里・・・いまは亡き作家たち。みな、阿刀田さんと交流があったんだ!と興味深く読んだ。
第2章は翻って「生きる」方法論。そして第3章は「読書が培う悼む力」として、「生きる」ために必要な「読書」について書かれている。この本は、読むべき本の一冊なのかもしれない。この本の中に出て来た表現で
「"あえかに"美しい」(180ページ)
「人の世の姿が"つきづきしい"」(218ページ)
の意味が分かりませんでした。それについて調べて「平成ことば事情」に書きました。
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