新・ことば事情
5157「アゴーギク」
小林研一郎先生の指揮する「水のいのち」の練習で、先生がおっしゃった言葉に、
「アゴーギグ」
というのがありました、「演奏のテンポ」に関するもののようですが、意味が分かりません。国語辞典を引いても載っていません。音楽用語なので「イタリア語」ではないか?と思いイタリア語辞典を引きましたが、載っていません。
たまたま家の本棚で見つけた『音楽中辞典』(音楽之友社、1979)を引くと・・・載っていました。最後は「グ」ではなく「ク」、濁りません。つまり、
「アゴーギク」
でした。これは、
「ドイツ語」
だそうです。 意味は、
「速度法。演奏の時に、テンポに微妙な変化をつけて精細ゆたかにする方法。リーマンの創始した語で、デュナーミクの対概念。ひろくラレンタンド、アッチェレランド、テンボ・ルバートなどもこの概念に含まれる」
とありました。「ラレンタンド」「アッチェレランド」「テンボ・ルバート」は知っていました。それらの総称と考えればいいのでしょうか。また、説明の中に出てきた、
「デュナーミク」
も引いてみると、
「強弱法、力度法のこと。強弱変化による表情法。を意味する術語。基本的な用語や記号には、f、p、クレッシェンド、ティミヌエンドなどがある。」
と記されていました。
まだまだ知らないことは「山のようにたくさん」あります。
「音楽」と「言葉」の世界は、「海のように深い」です。