新・読書日記 2013_123
『レイヤー化する世界~テクノロジーとの共犯関係が始まる』(佐々木俊尚、NHK出版新書:2013、6、10第1刷・2013、6、25第2刷)
「レイヤー」というのは、その筋(どの筋?)では有名な用語らしいですが、私は知りません。読んで、「あ、そうか」と思ったけど、一週間もしないうちに忘れてしまいました。たしか「層」とか、レタスの葉っぱのようなイメージがあるのですが、正解ですか?
著者の本は、新しく出ている物は大体読んでいる気がします。いつも新しい概念を、一般の人にも紹介・提示してくれていて、知的な刺激を受けています。
サブタイトルの「テクノロジーとの共犯関係が始まる」の「共犯関係」って、ちょっと危ない感じですが、好むと好まざるに拘わらず、時代の流れの中で巻き込まれて、関わらざるを得ない状態を「共犯関係」と呼んでいるようです。
これまでの大量生産・大量消費のテクノロジーから違う形のものに代わって来ている、という実感はあります。いま読んでいる藻谷浩介さんの『デフレの正体』にも、そういった視点が含まれていますし、分析は正しいのだと思います。
そうすると「マス・コミュニケーション」という形態はどう生き残れるのか?あるいは形態を変えざるを得ないのか?もしかしたら「維新」の「大阪都構想」のような動きも、そういったことと関係性があるのか?「地方分権」に見えて「ミニ中央集権」ではないのか?
いろいろなことを考えさせられた一冊ではありました。
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