新・ことば事情
5153「『ルッコラ』のアクセント」
日本テレビの『ZIP!』の人気コーナー・速水もこみちの「モコズ・キッチン」を見ていたら、この日は「ルッコラ」を使った料理でした。「ルッコラ」、おしゃれな野菜ですね、なんとなく名前が。「ピッコロ」みたいでかわいい感じだし。
辞書(『広辞苑』)を引くと、「イタリア語」らしく(どおりで「ピッコロ」と似ているはず。音楽的な響きです)
「アブラナ科の草本。地中海地方原産。アブラナに似た4弁の花は黄・白・ピンクなど。ゴマの香りがする葉をサラダにして生食。ロケットサラダ。」
とありました。「ロケットサラダ」?これも初耳ですが。まあ、いいか。
この「ルッコラ」を、もこみち君は、
「ル/ッコラ」
と「平板アクセント」で言っていました。ナレーターの日本テレビ徳島アナウンサーも同じように「平板アクセント」で「ル/ッコラ」と言っていました。
しかし、私はこれまで「平板アクセント」で「ル/ッコラ」と言ったことはありません。いつも、
「ル\ッコラ」
と「頭高アクセント」です。アクセント辞典に載っているか調べましたが、載っていません。『新明解国語辞典』でアクセントを調べたところ、(1)と書いてありましたから、これは「第1音節にアクセントがくる」、つまり、
「頭高アクセント」
ということで安心しました。
「平板アクセント」の中には、「専門家アクセント」と呼ばれるものがあります。これは、
「そのことばをよく使う人たちの間では、アクセントは『平板化』する」
というものです。もしかしたら、もこみち君たちは「ルッコラ」に接することが多いので「平板アクセント」になったのかもしれません。