新・ことば事情
5136「書けたですよ」
<2009年12月24日書き始めました。当時の数字は「平成ことば事情3952」>
NHKの番組『日米電波戦争・第2回』(2009年8月24日に放送されたもの)を見ていたら、当時の「ラジオ東京」(NHK=日本放送協会の国際放送)の原稿を書いて読んでいた住友公一氏(アメリカ生まれ。インタビュー当時88歳)にインタビューしていました。仕事は、日本語の原稿を英語に書き換える作業だったそうです。そして、昭和20年8月10日の英語放送で「ポツダム宣言受諾の用意あり」という政府声明を放送したと、放送した当人の住友氏が話しています。住友氏は、
「ポツダム宣言を受諾する用意がある、と自分の意志で書けたですよ。」
と話していました。その後も記者として活躍し1976年に引退したそうです。
私がこのコメントで引っかかったのは、
「書けたですよ」
という言い方。これって「九州方言」ではないでしょうか?住友氏はアメリカ生まれだそうですが、もしかしたらご両親かご家族が、「九州のご出身」だったのかもしれません。あ、引退後、住友さんが暮らしていたのが「九州」だった可能性もあります。
番組ではこのほか、
「米英支蘇四国」
という表現が出てきましたが、この「蘇」=「ソ連」なんでしょうね。
また、「東京ローズ」の本名は「アイバ戸栗」だとか、「へえー、知らなかった」という興味深い話が。また、日本国憲法草案に参加した「ベアテ・シロタ」さんという女性もインタビューに応じていました。シロタさんは当時まだ22歳!(1923年10月生まれ)つい先日(2012年12月30日)、亡くなられましたね。
そのNHKの番組から4年が経過して、2013年6月7日に放送していた読売テレビ「秘密のケンミンSHOW」で、
「書けたとですよ」
は九州弁(博多弁)で、博多の人は、
「○○とですね(とですよ)」
は「敬語」だと思っていると放送していました!