新・読書日記 2013_106
『従軍慰安婦』(吉見義明、岩波新書:1995、4、20)
1995年に出ている。当時、すぐに買ったが読んでいなかった。橋下発言を機に、読むのは「今でしょ!」と頑張って読んだ。大変「学術論文的」にデータが出て来る。読み物・・・という感じではない。そもそもこの書物によって「従軍慰安婦」という言葉が定着したかのように記憶している。それまでは単なる「慰安婦」という言い方だったのではないか?そして「従軍」という言葉はイコール「強制連行」というニュアンスを含んだ。ところが「強制連行」とは銃剣を喉に突き付けて連れて行ったようなことを指すのか?それとも「良い金になるから」とだまして連れて行った詐欺的なものも含めるのか?というあたりがゴチャゴチチャになってしまって、この言葉の持つ「従軍」というあたりの定義も、きっちりとできなくなってしまったまま、今日に至っているように感じた。
全部人のせい、世の中のせいにするわけではないが、これとほぼ並行して読んだ、『それでも彼女は生きていく』(山川徹、双葉社)で、東日本大震災をきっかけにAV女優の道を選んだ東北出身の女性たちが出て来る様子を読んで、70年もの時を経ているにもかかわらずオーバーラップしたものがあった。慰安婦問題、難しいです・・・・。
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