新・ことば事情
5123「『桑の実摘み』のアクセント」
お昼のニュース本番前のWアナウンサーから質問を受けました。
「『桑』のアクセントは頭高で『ク\ワ』ですが、『桑の実』はどうでしょうか?さらに『桑の実摘み』や『桑の実嚢園』のアクセントは、どうでしょうか?」
「うーん、『桑の実』は、『赤とんぼ』の歌でも『ク\ワノミ』と歌っているし(それが根拠になるかどうかわからないけど)『頭高アクセント』でいいんじゃないかなあ。でも『桑の実摘み』『桑の実農園』は複合語だし、コンパウンドして『中高アクセント』の、
『ク/ワノミ\ツミ』『ク/ワノミノ\ーエン』
じゃないかな。」
と答えました。
『NHK日本語発音アクセント辞典』にも載っていないのですが、ただ、巻末の「複合語アクセント類型」のところに「~農業」というのがあって、これはコンパウンドして、
「○/○○○ノ\ーギョー」
となると記されていたことから「~農園」も同じアクセントパターンではないかなと推測しました。
あ、そうか、「みかん」も、単独だと「ミ\カン」で「頭高アクセント」だけど、「刈り」が付くと、
「ミ/カンガリ」と「平板」=「コンパウンド」するから、複合語の場合のアクセントは、必ずしも元の単独の名詞のアクセントが残るわけではないですよね。これって基本なのに、実際に出て来ると、迷うケースはありますね。特に「桑(ク\ワ)」のような「2拍」の短い名詞の場合に、迷うケースが多いようです。