新・ことば事情
5098「請求と要求」
2013年4月10日の「ミヤネ屋」で、上原さくらさんと青山光司さんの離婚調停について取り上げました。その中で、ディレクターが質問してきました。
「慰謝料は『請求』でしょうか?それとも『要求』でしょうか?」
これに対して私は、
「既に相手が払うことが決まっている場合は『請求』ですが、この場合は『要求』でしょう」
と答えました。つまり字幕スーパーとしては、
×「5億円の慰謝料を請求」→○「5億円の慰謝料を要求」
ですね。国語辞典(「三省堂国語辞典」)を引くと、
*「請求」=(当然もらうべきものを)相手に求めること。(例)料金を請求する
*「要求」=①こうしてほしいともとめ・ること(ていることがら)(例)時代の要求②(法)ある行為の請求
となっていました。
この場合は、上原さん側の求めている慰謝料が、客観的に見ても、
「当然もらうべきもの」
であれば「請求」でいいのですが、そうとは言い切れない(だから「調停」になっている)し、「法律用語」では、「要求」の②に当てはまるという気もしますね。
結局、この調停は
「慰謝料0(ゼロ)で離婚成立」
という驚くべき結果に終わったわけですが・・・背景には何があったのでしょうか?上原さんは、単に吹っかけてみただけだったのでしょうか?不思議な調停でした。