新・ことば事情
5068「領収書と領収証」
「領収証」は、
「しょう(証)」が正しく、「しょ(書)」という短い発音と表記は間違い
だと思っていました。
ところが先日、まさにその「領収証」の実物に、
「領収書」
と印刷されたものを発見しました。一体どっちが正しいのでしょうか?
グーグル検索してみると(5月22日)、
「領収証」= 230万件
「領収書」=1530万件
と、なんと「領収書」のほうが、7倍近く多いではないですか!
国語辞典ではどうか?見出しで出ているものを書きました。
<「領収書」がメイン>
『広辞苑』=「領収書」。語句明の中に「領収証」も。
『デジタル大辞泉』=「領収書」。「領収証」は空見出し。
『明鏡国語辞典』=「領収書」。語句説明の中に「領収証」も。
『三省堂国語辞典』=「領収書」。語句説明の中に「領収証」も。
『新明解国語辞典』=「領収書」。語句説明の中に「領収証」も。
『新選国語辞典』=「領収書」。語句説明の中に「領収証」も。
『新潮現代国語辞典=見出し無し。「領収」の用例が「領収書」のみ。
<「領収証」がメイン>
『精選版日本国語大辞典』=「領収証」。「領収書」は空見出し。
『岩波国語辞典』=「領収証」のみ。
<両方載せている>
『NHK日本語発音アクセント辞典』=「領収書」「領収証」両方見出しあり
『新明解日本語アクセント辞典』=「領収書」「領収証」両方見出しあり
『NHK漢字表記辞典』=「領収」の用例に「領収書」「領収証」両方あり。
ということでした。どうやら世の中、「領収書」の方がよく使われているようです。なぜ私は「領収証」が正しいと思っていたのかな?会社に入ってからおそらく習ったような気がしていたんですが・・・。
ちなみに『精選版日本国語大辞典』の用例は、
*「領収書」=1905年『風俗画報350号』
*「領収証」=1885年「東京府布達第40号」明治18年6月18日
「其の役所の領収証写を添へ」
とある「領収証」の方が20年早いです。