新・ことば事情
5065「真白な」
福山雅治さんの新曲、
『誕生日には真白な百合を』
という曲を聴きました。曲の内容はさておき、タイトルが気になりました。
「真白な」
は、「まっしろな(真っ白な)」ではなく、
「ましろな」
と読むようです。
ちょっと変わっているところが「個性」なんだと思いますが、「ましろ」と読ませるのなら、「真白き百合」
あるいは、
「真白なる百合」
というように「文語」の方がいいのではないかなあ?と思いました。つまり「ましろ」という読み方は「文語的」な感じがするのです。
その昔、作家の故・北杜夫さんの作品に、
「白きたおやかな峰」
というのがあって、これも
「『白き』ならば『たおやかなる』ではないのか?」
と言われたというのを思い出しました。
でもこれ、「まっしろな」ではなく「ましろな」と読ませるのは、そのほうがインパクトがあるからでしょう。でも、「まっしろ」は「ましろ」の「強調語」。その「強調語」は「口語」で、「強調しない」と「文語」なのでしょうか?ちょっとこれ、おもしろいですよね?