新・読書日記 2013_087
『ナガサレール イエタテール』(ニコ・ニコルソン、太田出版:2013、3、11)
宮城県出身の女性漫画家ニコ・ニコルソン(日本人です)。「3,11」で実家が津波で流された。母と祖母が被災し、なんとか命は助かったが、家はそのままでは住めない状態。避難生活の間に高齢の祖母の認知症は進み、母は子宮がんの宣告を受け全摘手術、しかも転移していたために、抗がん剤治療を。その被災した家を大幅なリフォーム(建て替えるぐらいの規模)をした。費用の問題は?高齢の認知症の祖母が、そして「がん」にかかった母が、いつまでそこに住めるのか?・・・など、先行きの不透明な中、なんとか「建て替え」を進めていった様子を、おもしろおかしく漫画で記したもの。被災した方の状況は、本当に一人一人違うということが、よく分かる一冊だった。「自己を客観視できる」と「笑い」というものは発生するのだなということも分かった。
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