新・読書日記 2013_086
『言わなければよかったのに日記』(深沢七郎、中公文庫:1987、11、10初版・2011、4、30第13刷)
「楢山節考」の著者・深沢七郎のエッセイ。
とんでもない天才・・・というか、とんでもなく素直な、「裸の大将」的な人だったんですね。ギタリストだというのは聞いたことがあったけど。石原慎太郎(!)と気が合ったみたい。正宗白鳥など、文豪との付き合いもおもしろい。
「変わってる」といわれるのが嫌だったようだが、たまたま喫茶店で隣の席になった見知らぬ人の話が耳に入って来たからと言って「一緒に旅行に連れて行ってください!」などと言い出す人は、普通は「アブナイ人」だと思われるだろうなあ。"時代"が、そういう人の存在も許したということか。現代では、そんな余裕は、なかなか、なくなっているのではないかと思いました。でも、おもしろかった!
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