新・読書日記 2013_072
『辞書を編む』(飯間浩明、光文社新書:2013、4、20)
2012年本屋大賞受賞作で、現在「映画」も公開されている『舟を編む』で注目された「辞書編集」という仕事。私は前から興味を持っていたが、この本は、実際に辞書(『三省堂国語辞典』、通称『三国』)の編集に携わっている著者が、その作業の内容を具体的につづったもの。ノンフィクション版『舟を編む』と言え、タイトルも『辞書を編む』・・・って、そのままやがな、と思うが、「シンプル・イズ・ベスト」!である。
見坊豪紀さんの『辞書をつくる』という本もありましたし、その見坊さんの編纂した『三国』(三省堂国語辞典)の編集を引き継いでいる著者ですから、この本は見坊さんへのオマージュということもあったと思う。
『舟を編む』の主人公の名前は「馬締(まじめ)光也」だったが、この本にキャッチフレーズを私がつけるとしたら、
「馬締は実在した!」
です。『舟を編む』を読んだ時に、
「これって、そのまんま飯間さんやんか!」
と思ったのだから、この言葉にウソ・偽りはございません。あ、飯間さんとは十数年来の知り合いです。この本も送っていただきました。ありがとうございます。
すぐに読んで、感想をお手紙で送りました。その中に、
「馬締めは実在した!」
と書いたら喜んでくれました。実際の本の帯は、なんと『舟を編む』の著者・三浦しをんさんが書いてくれていますよ。お見逃しなく!
(☆5つ)
star5