新・ことば事情
5068「ゴールデンウイークか?大型連休か?」
<2009年6月24日に書きかけたままでした。当時の番号は3734>
今年(2009年)のゴールデンウイーク後半を迎えた5月2日の朝、スポーツアナウンサーのOアナウンサーから質問メールが届きました。
「今年は、この大型連休を『ゴールデンウィーク』と呼んでいいんですよね?特に、今日に関して。今朝の読売新聞では『大型連休の後半がスタート』となっていたので、あれ!?と思いまして。今日の阪神×巨人戦の中継でも、間違いなく使う言葉なので、道浦さんに確認しようと思いました。お手すきの時に答えを教えていただけますでしょうか?」
今年(2009年)は9月にも「大型連休」があるからね!
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で、ここから、4年たった2013年の5月2日に書いています。
そもそも「ゴールデンウィーク」という呼び方は「映画業界」で言い出したもので、いまや、何の気なしに誰もが使います。民放では特に気にせず使っています。
しかし、NHKさんはたしか、
「大型連休」
という呼び方をしているはずです。
NHK放送文化研究所のサイト「ことば・言葉・コトバ」の「2010年5月1日」の記述では、まさにこういった質問に答えていて、
「原則として『大型連休』を使うことにしています」
とあります。理由として、
『「ゴールデンウイーク」(黄金週間)は、連休で観客の入りがよかったため、この期間中に大作をぶつけるようになった映画界が、宣伝も兼ねて作り出したことばで、昭和27~28(1952~53)年ごろから一般にも使われるようになったようです。しかし、1970年代の「石油ショック」以降、「のんきに何日も休んではいられないのに、なにがゴールデンウイークだ」といった電話が放送局に何本もかかってくるなど抵抗感を示す人が目立ってきました。』
ええっ、そうだったのか!そんな電話をかけて来る人がいたんですか!当時は。さらに、
『また、「外来語・カタカナ語はできるだけ避けたい」「長すぎて表記の際に困る」など、放送の制作現場の声もありました。そのうえ、週休2日制の定着で前後の土曜・日曜を加えると10日ぐらいになることもあり、ウイーク(週間)も的確な表現ではなくなってきました。このため、放送では原則として「ゴールデンウイーク」は使わず、「大型連休」を使っています。』
と詳しく解説があります。ところがこの「大型連休」という言い方も「気に食わない」方々がいらっしゃるようで、
『原則として「大型連休」という語を使いながらも安易に繰り返すのではなく「今度の(春の)連休で...」「この連休中(連休期間中)に...」「4月末からの(この○○日から始まる)連休で...」など、ときには別の言い方や伝え方を織り込むような表現上の配慮やくふうをすることも必要でしょう。』
と、メディア研究部・放送用語担当の豊島秀雄さんは書かれています。
我々民放では、読みは「ゴールデンウィーク」でも、スーパー表記では短く
「GW」
と書くことも多いです。昔は「GW」と書くと、プロ野球の、
「巨人×大洋戦」
を意味したのですが、そんなことを書くと、トシがバレますな。