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『道浦TIME』

2013_068

『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました』(大宮冬洋、ぱる出版:2013、3、29)

 

一橋大学法学部を卒業して、2000年3月から1年間「ユニクロ」の正社員として働いていた著者。その内の7か月を過ごした「町田店」は、とても「居心地の良い店舗」だったという。それはスタッフに恵まれていたから、社員と準社員、アルバイトなどカッチリとしたヒエラルキーがある中で、チームとしてどう動くか。それぞれの役割を果たせる人、果たせない人。その後「スクラップ」(閉店)となった「町田店」。10年たった現在、その「町田店」の当時のスタッフはどうしているのか?を追ったルポ。方向性としては「ユニクロは辞める人が多くて、この働かせ方はどうなのか?」といった"告発ルポ"に見えなくもないが、実はこれ、著者が「青春」を過ごした「時代」と「場所」をたどる「青春日記」のように思える。つまり「同窓会ルポ」のような感じ。ユニクロで働いたことのない私たちも、その「青春」を追体験できる一冊と言えるのではないだろうか。

・・・そう書いた翌日の4月23日朝日新聞朝刊のトップ記事は「ユニクロ世界で賃金統一」という大きな見出し。グローバル総合職の社員4900人を、トップの柳井会長の年収4億円(!)から19段階に分けられた同一賃金体系にすると言う。一番下は年収320万円。その差、100倍以上!ユニクロの品物の値段は安いが、会長の年収は高い。上から7段目の平均年収は2000万円(対象は執行役員など51人)、その下の部長やスター店長など上から14段目の平均年収は670万円だという。フーン。

 

(2013、4、22読了)

2013年4月25日 10:52 | コメント (0)