新・ことば事情
5046「『女性たち』のアクセント」
先日、テレビから聞こえてきたアクセントで「おやっ?」と思ったものがあります。それは、「女性たち」という言葉のアクセントです。これは普通だと、
「ジョ/セー\タチ」
というように、「タチ」の前でアクセントが下がると思いますが、今回耳にしたのは、
「ジョ/セ\ータチ」
というように、「セ」の伸ばした部分の前(もしくは「ジョ/セ\イタチ」と「イ」で言うならば、その「イ」の前)でアクセントが下がるパターンだったのです。確かにこのアクセント、私も使うことがありますし、これでにもよく耳にしました。
あれ?でもよく考えると、「女性」は「平板アクセント」なので、
「女性が」「女性は」「女性を」「女性の」
というように、助詞が付いた場合は全て「平板アクセント」で、
「ジョ/セーガ」「ジョ/セーハ」「ジョ/セーヲ」「ジョ/セーノ」
となるのに対して、「たち」が付いた場合は「たち」の前で下がって、
「ジョ/セ-\タチ」
となる、「『女性』が尾高アクセントになっている」ぞ。これを「平板アクセント」で、
「ジョ/セータチ」
と言うと、明らかにヘン!ですし・・・。
そうか、わかった「女性たち」は、これで「複合語で一語」だから、コンパウンドが起きて、「たち」の前にアクセントが下がって「山」を作っているのかな。そう考えれば納得です。さらにその「複合語」の「女性たち」という言葉を「強調」しようとする場合に、アクセントが強くなると、早めにアクセントの山を下りてアクセントの先端の山を高く鋭くすることで、強調している。その形が、
「ジョ/セ\ータチ」
なのでは、ないでしょうか?
「子ども」も「平板アクセント」ですが、「子どもたち」となると「たち」の前でアクセントが下がるので同じですね。「たち」を付けて「複合語」になると、同じことが起きるのではないでしょうか?
こうやって書いているうちに答えが出てきました。やはり「書くこと」は「考える事」だよなあ!でもきょうは「エイープリルフール」だから、これが本当に正解かどうかは、わかりませんよ!