新・読書日記 2013_063
『羽生善治論~「天才」とは何か』(加藤一二三、角川oneテーマ21:2013、4、10)
帯には「天才が天才を語る」「羽生善治氏本人も推薦」。その後の羽生氏のコメントがおもしろい。
「私が知らない加藤先生がいた」
どんなふうに加藤一二三を見ていたんだろうか、と。
この本を読めば、「羽生名人のことがわかる」というよりは、
「加藤一二三という人がわかる」
と言った方が正しいと思う。
去年の正月だったか、たまたまNHKでやっていた名人経験者ばかりが集まった豪華な将棋の番組を見たとき。その際に、去年12月に亡くなった米長さんと著者の会話の面白さ、余りにも"おとぼけ"と言うか加藤さんの真面目すぎる超早口の答え方が面白くて、大変印象に残った。「加藤一二三」という名前はもちろん知っていたが、「人柄」を私は初めて知った。将棋ファンは先刻ご承知だったと思うが、その放送を見ていなかったら、この本は買わなかったかもしれない。
若き日の羽生氏と対戦して、妙手を打たれたときに、加藤さんは、
「ウヒョー!」
と声を上げたそうだ。対局中にもかかわらず。「ウヒョー」って、大の大人が仕事中に上げる声じゃない。すごいです・・・。
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