新・読書日記 2013_062
『和牛詐欺~人を騙す犯罪はなぜなくならないのか』(斉藤友彦、講談社:2012、9、13)
「和牛詐欺」自体には、あまり興味はなかったが、読み込んでいくうちに、サブタイトルである「なぜ人は詐欺にひっかかってしまうのか」という所には興味が湧いた。
そして、同じような手口のサギがあっても「自分だけは大丈夫」と思う心理を巧みに突いてくる中で「和牛商法」に投資してしまう人は、ものすごく儲けようと思っているわけでなく、「老後のちょっとした資金を確保したい」というささやかな望みを持つ人たち。そういう普通の「いい人」たちが引っかかってしまう。
「和牛商法の相手を疑う」ことは、すなわち「自分の人を見る目のなさ」を認めることにつながるから、やはり「プライド」として認めたくない、という心理が働くのではないだろうか。また「和牛詐欺」をやるヤツは、途中から「もう、どうしようもないから、どうなってもいい」というように思考停止してしまっているようにも感じた。
star4