新・読書日記 2013_064
『100歳じいさん101歳ばあさん』(吉田信・吉田ツル、企画&構成・仲本剛、講談社:2012、12、20)
関東大震災、シベリア抑留、そして「3.11」を福島・大熊町で体験した100歳のおじいさんと、年上の101歳のおばあさん。帯には、
「日本一前向きな超高齢 原発事故被災者」
とある。
「あと20年、30年がんばったら、原発のなくなった大熊に戻れるかもしれんな(笑)」
とおじいさんの吉田信さんが「この感じだと、その思いが叶うかも・・・」という一言を漏らせば、一つ年上の妻・ツルさんが、
「100年生きてみて?どうってことないね、100年なんて(笑)」
と笑い飛ばす。豪傑。さらに、
「私は、ちょっと長生きしすぎた。お迎えが来るのを?そう。待ってるとこです。(笑)足腰立たなくなってまで、あんまり生きていたいとは思わないわ(笑)」
と言うと、夫の信さんが、
「うそつけ!先日、風邪引いたときは『まだまだ死にたくない』って大騒ぎしたらしいじゃないか(笑)」
それを受けてツルさん、
「ハハハハハッ。そうね。本音を言うなら、大熊に帰って自分の家で死にたいね。」
食えねえばあさん・・・と言うより、やはりポロッと飛び出した本音に、悔しさがにじむのを感じられた・・・。
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