新・ことば事情
5038「亜糊粉層」
コンビニで、お昼ご飯用に買ったおにぎり。今はやりの、
「金芽米(きんめまい)」
を使ったものでした。その袋に見慣れない文字が。
「亜糊粉層」
赤い文字でルビが、
「あこふんそう」
と振ってありました。そしてその下に、
「うまみ層」
と説明がありました。「うまみ」のことを「亜糊粉」というのか?辞書に載っているのだろうか?ネットで検索すると、
「亜糊粉層」=9880件
でした。その中の「全国無洗米協会」のホームページに、
『「梅干を毎日食べて健康になる」(宇都宮洋才著、キクロス出版、)の中で、お米の亜糊粉層(あこふんそう)に含まれる物質が、動脈硬化などの心臓血管疾患を予防する効果があることを発見したことが紹介されています。さらに、白米の段階で亜糊粉層を残した米も開発され、この米には胚芽の基底部「金芽」も残されており、栄養価が高く、おいしくて食べやすいという、両方の良さを兼ね備えた米が市場に登場したことも紹介されています。(中略)この亜糊粉層の効果は、著者である宇都宮洋才氏が他の研究者と共同研究した結果を2010年4月に実験生物学会(EXPERIMENTAL BIOLOGY 2010、アメリカカリフォルニア州アナハイムで開催)で発表後、国内外の新聞や科学雑誌に掲載され、研究者からは注目されていたそうです。』
とありました。その本の著者の宇都宮洋才(うつのみや・ひろとし)氏は、和歌山県立医科大学の准教授で「梅干し博士」として有名なんだそうです。
『精選版日本国語大辞典』で「亜糊粉層」を引きましたが、載っていません・・・「亜」を取って「糊粉層」で引くと・・・載っていました!
「糊粉層」=植物学で、糊粉粒(こふんりゅう)を多く含有する細胞層をいう。米、麦などイネ科の趣旨に多く、種皮に接して存在する。アリューロン層。
ま、意味はよくわかりませんが「糊粉層」というのがあって、「亜」ですから、「それに準じる」とか「似ているがちょっと違う」とかそんな感じなのかな、「亜糊粉層」は。
こんな専門用語を出しても素人はわかりませんが、
「なんだか新しくて、専門的なので、良いものなのだろう」
と思わせる広告戦略であることはわかります。