新・ことば事情
5016「画像」
子どもタレントだった細山貴嶺君の『デブ、死ね、臭い!を乗り越えて』という本を読んでいたら、大好きな担任の先生について、
「生徒たちの画像をたくさん撮ってくれます」
と書かれた一文が出てきました。これを読んで「あっ!」と思ったのは、著者の細山君(いま高校3年生ぐらい)にとっては、
「『写真』ではなく『画像』」
という表現を使うということですね。これまでなら間違いなく、
「写真をたくさん撮ってくれる」
というふうに書くところでしょう。それを「画像」と書くということは、普段の生活の中の話し言葉でも「画像」を使っているということだと思います。
もそりゃあ、私たちもパソコンを使って仕事をする中で「画像」という言葉は使いますが、高校生の一般生活の中で使うというのは、私などは少し違和感のある言葉です。
10年以上前に、「文章」のことを、
「文字列」
と書かれているのを見て感じたのと同じ違和感を、覚えたのでした。それについて書いた「平成ことば事情36 文字列」もお読みください。1999年、20世紀に書いたんだなあ、これ。